Welcome to my blog

言葉の花びら

ARTICLE PAGE

・哀切の中で

先日、父が晩年お世話になっていた施設の施設長さんから
「施設で小さな音楽会を開きますので、よかったら、お姉さまと
一緒に来て下ださいね。さくらさん達はお父様と同じで、音楽が
お好きだったでしょ」と、嬉しい電話を頂きました。

姉と私は大の音楽好きですから、喜んで出かけて行きました

プロのギタリストさんとボーカルの方、そして趣味で演奏を続けて
いらっしゃるキーボードの、三人の方々による演奏の音楽会でした

私達は2時半開演に合わせて行きましたが、ホールでは1時間も
前から集まって童謡を歌って楽しんでいらっしゃったそうです。
「あと2曲歌ったら開演時間ですね!そこからは演歌も歌います。
では、2曲は<しゃぼんだまの歌>と<荒城の月>にしましょう~」と
言われて<しゃぼんだまの歌>をうたい終わると、<荒城の月>の
伴奏が静かに流れ始めました。

歌手の方と施設の利用者さん、介護士さんも共に歌う中で、静かに
流れゆく<荒城の月>の調べ。 ~春高楼の~花の宴~
<荒城の月>は、最後の4番まで歌うことになったので2番が
終わると間奏が流れました。

キーボードを演奏していらっしゃる方の姿を見ているうちに、私は
亡くなった父がキーボードや、アコーディオンを舞台で演奏していた
時の姿が次々に浮かんでくるので、哀調を帯びた<荒城の月>の
調べに、胸がしめ付けられるような切なさをおぼえてしまいました。

姉も私と同じ思いにとらわれていたのでしょうか、
「何だか、おじいちゃんを思い出してしまうね~」と、幾たびか
私に囁いていました。

早くに早逝した私達の母親代わりとなって、子ども達を慈しみ深く
育ててきてくれた父。
「子育ては人生の花(華)だった!」と言ってくれた父が最後を
迎えたこの施設・・・。

日に日に衰弱していく父のもとへ毎日、通っていましたが、亡くなる
2週間ぐらい前に私が行くと、もう、殆ど両目が見えなくなって
いたのですが・キーボードを弾きたい・という仕草をしたので、枕辺に
ある小型のキーボードを、起き上がったベッドに乗せてあげると、
指先はたどたどしくも動いて、懐かしい曲を演奏していた父。

耳も聞こえなくなってしまった父は「もう、いい」と言って暫くの間
目をつぶっていたので、眠ってしまった?と私は思っていました。

暫くすると、父は夢うつつの中で小さな盃を持つ仕草をして、
静かに両手を前に差し出しました。

そして…、まるで「一滴でもこぼすまい」というような仕草をして、盃を
ゆっくりと自分の口へあてて、美味しそうに吞みほしたようでした。
父はニッコリと笑うと「あ・り・が・と・う~。あ・り・が・と・う~!」と
どなたかに、お礼を言っていた姿が思い浮かんできてしまいました。

必死になって子供達を育ててきたと言う父自身の栄華は、いつ?
どの時代にあったのでしょうか~?

父はどなたと、美味しいお酒を酌み交わしていたのでしょうか~?

     (四) 天上影は   変はらねど
         栄古は移る  世の姿
         映さんとてか 今も尚
         あゝ荒城の  夜半の月


                    =土井 晩翠  作詩=
                    =滝  廉太郎 作曲=

目の中に入れても痛くない、と言うほど私達を可愛がって育てて
くれた父の在りし日の姿が次々と思い浮かんでくる中で、私の
大好きな<荒城の月>の4番の詩を歌っているうちに、私は狂おしい
までの切なさが込み上げてきてしまいました。

         ~栄古は移る~人の世の姿も~

   こちらに参加しています。
“ありがとうございます”
にほんブログ村
<こころの風景>は、私の大好きな居場所です。
皆様との出会いを心から大切にしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。

      

4 Comments

とらっく屋 店長  

時代は変わっても

さくらさん

読んでいて私も胸が熱く成りました

本当にご立派なお父さんで愛情たっぷりに育てられたのですね

歌はいつの時もその時代に引き戻してくれありありと昨日の事のように

思い出されます

今もキット優しく見守って下さっている事でしょうね

さくらさんもお体大切になさってますますの素敵な日々をお過ごし下さい

2013/06/28 (Fri) 17:46 | EDIT | REPLY |   

ふりかけ  

さくらさん
こんばんは
私も とらっく屋さんのコメントのように胸が熱くなりました。
本当にいいお父様でしたね。
目の中にいれても痛くないほど さくらさんたちを可愛がってくださった
お父様が
子育ては人生の花(華)だった 
とおっしゃったとおり
お父様の栄華は子育て期間
そして さくらさんたちと共に過ごされた日々だったのではないでしょうか?
そう言ってくれることは 素晴らしいですね。
本当に羨ましいと思います。
そして さくらさんたちも
いいお嬢さんに成長し
とてもいい人生だったのではないでしょうか。

私も ありがとう といえる人生を送れたらいいなと思いますが
現実はなかなか難しそうです。

荒城の月は 私も涙が流れます。
この曲は本当にいいな と感じます。

栄古は移る  世の姿

この言葉をかみしめて
人間も暮らさなければならない って思います。
歴史に学ばなくては いけませんね。

さくらさん
お父さま
このように思っていただいて
とても幸せだったと思います。

今日は 私も先ほど帰宅したので
コメント遅くなってごめんなさい。
いつも さくらさんに感謝しています。

2013/06/28 (Fri) 22:16 | EDIT | REPLY |   

さくら  

Re: 時代は変わっても

〇 トラックや店長・さちこさん、今晩は☆

歌はいつの時もその時代に引き戻してくれる・・・。

そうですね。私は<荒城の月>の歌が大好きですから、姉と歌っていた頃が
懐かしく思い浮かんできます。

この歌は詩は4番まで七、五調ですから、日本人の心によく合うのだそうですね。
それに、何よりも旋律が美しいので、世界の人々からも愛されているそうです!
施設で聴いたので・・・・、私は堪らなかったです。

父が大切に育ててくれたので、前を向いて生きていかなくては、と思っています。

さちこさん、心のこもったコメントを寄せて下さってありがとうございます。

さちこさんも毎日が素敵であってほしいです。

それでは、おやすみなさい☆☆☆

2013/06/28 (Fri) 22:46 | EDIT | REPLY |   

さくら  

Re: タイトルなし

〇 ふりかけさん、今晩は☆

ふりかけさんも、お疲れでいらっしゃるのにコメントを
寄せて下さって、私は恐縮しています。

~生きるって、色いろありますね~。
それは生きていればこそでしょうか・・・・。

父が夢うつつの中で盃を大事そうに吞みほしていた時の姿を
見ていた時は、こんなにも美味しそうにお酒を酌み交わしていた頃は
いつの時代だったのかしら?と胸がしめ付けられそうになりました。

父が子育てだけで生涯を終えてしまったとしたら堪らないです。

<荒城の月>の歌はいいですよね。
でも、歌は切なく響くばかりで・・・・。
美しすぎるのでしょうか!?

(四)天上影は 変はらねど
   栄古は移る 世の姿~

      ・・・人々も、こうして移り変わっていくのですね。

ふりかけさん、お幸せでいらっしゃってほしいです。

私も今ある自分を大切にしていきます。
父の御恩へ報いるために~。

それでは、ふりかけさん、お休みなさい☆☆☆


2013/06/29 (Sat) 01:37 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment