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言葉の花びら

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お母さん、おかあさ~ん

昨年の暮れに亡くなった父は、数年前までは茨城で継母と二人で
暮らしていました。けれども、二人とも足腰がすっかり弱くなって
しまった時期に、東日本大震災が発生したので、その直後に
私と姉が住む神奈川の施設へ来てもらう事になりました。

名古屋に住む兄夫婦は父に会いに来るのが少しでも近くなった事と、
私達が側にいる事もあって安心感が得られたようでした。
兄夫婦は、都合がつく時は父に会いに来てくれていましたが
二人には愛娘のワンちゃんがいたので、
どちらかが留守番をして愛犬のお世話をしていました。

ワンちゃんも高齢、父も高齢、そしてお嫁さんのご実家のお母さんも、
父よりまだ若いけれど、足腰の具合が悪くなって自宅のベッドで
過ごすようになってしまったので、お互いが心配を共有していました。

或る日、兄は施設の父を見舞った後で「俺は言っておくけど~」と、
断りがあってから、「親父も、愛犬も、お義母さんも、みんな同時に
大変になってしまったね。で、俺は思うのだけれど、“三人が
同時に万が一の事があったら”俺はワンちゃんを優先するかも
知れないぞ」と、何処か真顔で?私に話していました。

「いいのよ、お兄さん。お兄さん達は遠いから、おじいちゃんが
万が一の時には間に合わないかも知れないのよ。
だから、おじいちゃんとワンちゃんが同時だったら、お兄さんは
ワンちゃんに寄り添って上げてね」と私は応えました。
                                  
兄に一番なついていたと言うワンちゃんは昨年の春に亡くなりました。

そして、父は昨年の暮れに亡くなりました。その時は皆で心を
一つにして温かな葬儀で父とお別れをしましたから、
これからは、義姉は心置きなくご実家のお母さんの介護の手伝いを
してあげることができるのでは、と私は思っていました。

今年の2月。私達、姉兄妹家族と従姉妹達が九州で合流して
父の納骨を終えた後、それぞれが人心地ついていた頃に
兄から電話がきました。

「K子(お嫁さん)のお母さんが倒れて病院へ搬送された。
K子は先に新幹線で病院へ駆けつけたのだけれど、着いた時に
『お母さん、分かる?』と問いかけたら、少し目をあけて頷いて
『あ・り・が・と・う』と辛うじて応えてくれたけれど、
その後からは、何も応えなくなってしまった」と伝えてくれました。

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は今、悔やんでも悔やみきれない事があります。
私達が九州で父の納骨を済ませた後で、名古屋の兄の家で
「二泊したい」そう、お願いしたのは私でした。

兄夫婦は九州へ納骨へ行く前に、二人共いつにない風邪を
ひいて、こじらせてしまっていたそうです。それでも何とかして
“父の納骨の日を迎えたい”その一念で内科医へ小まめに通い、
気力を奮い立たせてきたそうです。

私達が泊めて頂いた二泊~。
その日を終えたら、首を長くして待っていらっしゃる
お母さんの許へ行く予定であったと…。

私達が泊めて頂いている時に「お母さんが電話口で『早く来てね。
色々頼みたい事を書き出して待っているのよ』」と、
義姉は嬉しそうに私に話してくれていたのですが~。

あの日、二泊しなかったなら・・・・・。

兄の母親は兄を出産後に産褥熱で亡くなりましたから、お嫁さんと、
優しいお母さんに出会ったことで、「俺は自分のお母さんに
出会えたようだよ」と、いつも私に嬉しそうに話していた兄でした。
私も母が2歳で早逝したので、兄の幸せがうれしくて、義姉も、
お母さんも、大好きでした。

今、私は毎日、心から祈っています。

「お母さん、どうか一度でいいですから、目をあけてほしいです。
そして枕辺に寄り添っていらっしゃるお義姉さんに温かな手を
差し伸べて、一言でも良いですから、語りかけて頂きたいです」

私の父が殆ど見えない視力の中で、私が行くと、いつも
「いい子~、いい子~」と頭を撫でてくれたように~。
帰る時「ありがとう」と言って手を差し伸べてくれたように、と。

4 Comments

ふりかけ  

いいお父様だったのですね
心からご冥福を申し上げます。
きっとお父様もいい人生だったのではないでしょうか?
いい子~ いい子~
きっといくつになっても その言葉は嬉しいですね。
優しいさくらさんや
いい子たちに囲まれてきっといい人生だったと思います。
お父様
これからはきっと見守ってくれていると思います。
忘れないでいてあげることが
何よりの供養だと思います。

お義姉さんにお母さんが語りかけることが出来たらいいですね
お母さんもそうしたいかもしれません。
どうか目があきますように
よくなりますように 
私も祈っています。

でも
悪いことってどうしてこう重なってしまうのでしょうね・・・
幸せや嬉しいことが重なることってなかなかなくて
ぽつり ぽつり とやって来ることが多いのに
悲しいこと苦しいことはこれでもかって重なったりします。
人生って不思議だなって思います。

ワンちゃんのこと
わかるな~
犬は無償の愛情を注いでくれるって思います。
お兄様の心の中にいつまでも生きている
ワンちゃんも幸せな犬生でしたね

2013/03/15 (Fri) 05:28 | EDIT | REPLY |   

さくら  

Re: タイトルなし

〇 ふりかけさん、
いつも温かなコメントを寄せて下さってありがとうございます。
父が私を「いい子~、いい子~」して頭を撫でていたのは
私が末っ子でいつまでも幼い子……?そう思っていたようです。

父が亡くなって、数日後に兄から電話がありました。
「父さんが亡くなって、無事葬儀を終える事ができて良かったよ。
ところで、お前は、気に入る葬儀ができたと思えたか?」
・・・・・・・「とても、良い葬儀だったわよ。何でそんな事を聞くの?」
「だって、親父はお前の事を一番かわいがっていたから、お前が一番
満足できる葬儀の形にしてほしい、と俺は思っていたのだからね」
・・・・・・・
ふりかけさん、私は父の葬儀では静かな涙が零れましたが、兄の
言葉を聞いた時は、思いっきり泣いて(泣けて)しまいました。
兄があまりにもやさしくて~。

今、義姉のおかあさんの事では、私は毎日お祈りしています。
どうか、一度でいいですから目を開けて下さい。
言葉を交わしてほしいです。
温かな手を重ね合わせて下さい、と。

兄のワンちゃんには、格別な話があります。
兄は自分の子供が二人いますが、赤ちゃんの頃は壊れそうで
抱っこできなかったそうです。
孫ができても、です。
名古屋で新居を購入と同時に室内犬を飼いました。
ワンちゃんは、いつも転がっている兄のお腹の上が好きだった!!
それで、兄はワンちゃんと真の一心胴体(@_@)だったから~です。

そんな兄の気持ちがよ~く分かっていたので、
ワンちゃんを優先してね、と私は言ってあげたかったの(笑)

ふりかけさん、今日は風が収まって春もようですね。
今日も一日が良き日でありますように、お祈りしています。

2013/03/15 (Fri) 08:16 | EDIT | REPLY |   

とわ  

さくらさん、こんばんは。

いつも、さくらさんのお話を聞いていると、涙腺がゆるんでしまい困ってしまいます。

さくらさんが、視力の弱い父がいつも「いい子〜、いい子〜」と頭を撫でてくれたという思い出の記事を以前読ませていただいてから、私の中でもそのシーンが強く印象に残っていました。
とてもあたたかな記憶なのでしょうね。

私も父に頭を撫でてもらったことを、さっきふと思い出して、胸が熱くなりました。
お酒が入ったときだけ陽気になる父で、そのときだけ、子供(姉や私)の頭を撫でてくれたのです。
「おりこう〜、おりこ〜」って(*^_^*)

さくらさんのお父様の思い出と重なってしまいました。。。

さくらさんのおかげで
私も、父との懐かしい思い出を思い出せてよかったです。
ありがとうございます。

2013/03/18 (Mon) 15:31 | EDIT | REPLY |   

さくら  

Re: タイトルなし

☆とわさん、今晩は☆
コメントを寄せて下さってありがとうございます。

父は亡くなる直前まで意識がはっきりしていたと言っても、
話しは過去と現在が定かではないことが沢山ありました。

ですから私の事は、
小さい頃の姿として捉えていたのではないでしょうか。

でも、幾つになっても可愛がってもらうのは幸せな事ですよね。
私に限らず、優しさを自分が受けて、自分は誰かに対して
優しくしてあげることができる・・・。

とわさんの、お父様も
「おりこう~、おりこ~」ってして下さった!!
それって、私と質が違うわね。
私は幼稚な扱い、とわさんは秀でた扱いですから、
羨ましいで~す(*_*)

とわさん、こちらは一気に春になりました。
さくら便りが南から送られてくるようになりましたよ。

とわさん、素敵な日々をお過ごしくださいね。

それでは、お休みなさ~い☆☆☆

2013/03/19 (Tue) 01:40 | EDIT | REPLY |   

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