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言葉の花びら

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命を刻む父

        父は日曜日に、我が家で昼食を共にしました。

        そして、父の望んでいた多摩川べりをドライブしたのですが・・・。


施設でお世話になっている父は、このところ目に見えて元気がなくなってきました。

私には顏立ちが、今までの父とは別人のように見えました。


見る事も聞く事も叶わなくなってしまった今は、大切な部分だけが思い起こされるようで

私が側にいると同じ事を話しかけてきます。


父と私、二人は体を寄せて対話しています。


今は自身の~最低限の事は自分でやりたい~そう思っているのに出来ない

苛立ちが父を苦しめているように見えます。


その苛立ちを施設の職員の方に向けて困らせているようです。


父が駄々を捏ねてしまうと大柄ですから輪をかけて大変になってしまう

そんな様子が目に浮かんできて、私自身も双方の事を考えると胸が痛くなってしまいます。


施設の方に、手首を切るためのナイフを要求したり、食事を拒んで二日近く、

同時に、薬も拒否していると聞きました。


その父の許には、近くに居る姉が日参してくれています。


私も出来る限りの事を、夫の協力も得ながら父の許へ行く様にしていますが

何をするにも自分の力だけでは出来ない事への

自身の不甲斐なさを痛切に感じるばかりです。


父の事では本当に夫に感謝しています。

      

                                       *☆*:;;;:*☆*:;;;:


日曜日は我が家で昼食を一緒に、そう思って父を迎えに行きました。


その時は本当に夫の力頼みになってしまいます。


この日は近くに住んで居る長女も子供を連れて我が家に着いていました。


父が室内に入るには玄関の、たったの二段の階段ですが困難を極めました。


足が完全に萎えている父を夫が「背負う」そう言ってくれるのですが、

夫よりも一回り半ぐらい大きい父ですから、どう考えても無理・・・。


夫と私の二人で左右を抱えて、娘二人が後ろを支えて何とかテーブル前に

辿り着くことが出来ました。


玄関前の二段ばかりの階段は、いずれは私達にも困難が立ちはだかる。

父と向き合うという事は、明日の自分たちと向き合う事だと思っています。


                                        *☆*:;;;:*☆*:;;;:


前回は畳のある和室の方から這うようにして入ってもらって足を投げ出していたのですが

ほかの面で父自身が辛そうでしたから中々、最善策を見出すことが出来ないでいます。


それでも日曜日は孫(私の娘)が二人。そして「おお爺ちゃん、おお爺ちゃん」と言って

良くなついているひ孫二人に囲まれて嬉しそうでした。


賑やかな食事が終わってから父の切望する多摩川べりをドライブしました。


もう僅かな光しか感じられなくなった父に「ここは、多摩川の土手沿いよ。

風を感じる事はできる?」そう聞いても疲れからでしょうか、あまり反応はありませんでした。


それから、父がむか~し昔、勤めていたと言う近辺も回って見ました。


移転してしまったのでしょうか?それとも衰退してしまったのでしょうか?

父の話す会社は見えませんでした。


多摩川べりのドライブの最中に「あんた、何処へ行くのだったかな?

ひい君の所へ行くのかな~?」


えっ?・・・私は思わず涙が零れそうになりました。


少し前に、私達の息子夫婦が千葉から施設迄、会いに来てくれたばかりなのに

食事の輪の中に居ない事に気づいていたのでしょうか、寂しかったのかも知れません。


「お爺ちゃん、ここから千葉は遠いからね。又、会いに来てくれるから待っててね」

そう答える私は切なかったです。


お爺ちゃんの膝に一番たくさん抱かれていた息子。

子煩悩だった父は、孫煩悩でもありました。


深い愛情を皆に注いでくれた父が命を刻む時間に私は今、大切にして向き合っています。



                                          *☆*:;;;:*☆*:;;;:








2 Comments

パピちゃん  

1. 無題

おとうさん喜ばれたことでしょう。うちは車椅子になってからは自宅に招いていません。着替えさせたり、トイレに連れていったりが大変で、外食も今年はまだ一回だけ。。。親孝行も楽ではありません。さくらさんの所は皆さん心が温かいですね。そしてご主人に感謝・・ですね。
               

2012/07/10 (Tue) 20:40 | EDIT | REPLY |   

さくら  

2. Re:父の事では夫に感謝しています・・・。

>パピちゃん
コメントを寄せて下さってありがとう。
とても、嬉しいです。父は本当に大変になりました。それは、自身が一番つらい事ではないかと思っています。会うと、別れ際に「長い間ありがとうね~」なんて、言われると言葉が出てきませんね。今、父は打ちひしがれている、
そんな感じです。私は悔いない日々を過ごしていくつもりです。

2012/07/10 (Tue) 23:07 | EDIT | REPLY |   

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